■ 『イニシエーション・ラブ』
図書館の予約はもうちょっとかかりそうだし文庫が出ているようだし、で買って読んでみたのだけど。
……あー。ちょっと期待しすぎたか。
方々で書かれていることだし本のカバーにも書いてあるからここに書いても差し支えないと思うが、「一見普通の恋愛小説に見えて最後の2行でそれと分かるミステリ」とのこと。確かに前半は携帯電話もない時代の20代の恋愛が描かれていてそれはそれで初々しいし、各章のタイトルが当時の流行歌だったりして「お、凝ってる」と思わせてくれるのだけど、私は最後の2行を読んでもまあそうだろうねえとしか思えなかった。
ミステリ系がお好きな人の中にも高評価をつけている人が結構いるようなので一概には言えないが、いわゆる叙述トリックに慣れた人にはつまらないんじゃないかな。叙述トリックがうまくて物語としても楽しめる小説は他にもあるし。この人(名前が女性ぽいが男性だそうな)のほかの小説は毛色が違うようだから、そちらを読んだらまた印象が変わるかもしれないけど。
ケータイ小説とか普通の恋愛小説が好きでちょっと飽きてきたという人にはいいかもしれません。ただし普通のハッピーエンドとは違うのでそこはご注意を。
イニシエーション・ラブ
(追記)叙述トリック関係の自分用メモ。
叙述トリックものの個人的まとめ(dadabreton内)
ほか北村薫氏とか安孫子武丸氏とか。