最近の台風や地震に眼を奪われてすっかり忘れていたが、8月に関西電力美浜原子力発電所3号機で水蒸気漏れの事故が起こっていた。たまたまTVで、この事故で息子さんを亡くされたお父さんが泣きながら社長に「帰してくれや、社長なぁ、わしの息子や」と訴えている映像を流していた。
ニュースで聞いていると人間は数になってしまう。このお父さんの息子さんも亡くなった5人のうちの一人でしかない。しかしそのご家族やお友達の立場になることを想像すると、それこそ筆舌に尽くしがたいものがある。
このお父さんに呼びかけられた社長さんは土下座していた。あの言葉の重みには耐えられなかったのかもしれない。しかし同時に思ったのは、我々にとっても無関係な話ではないのではということだった。
管理体制に問題はあっただろう。その責任は誰かが負わないといけない。それはあの社長さんかもしれない。
でも、その原発が作り出してくれる電気でより快適な生活をしている私も、何らかの形で彼の死に関連しているような気がしてしまう。だからといってやめてしまうわけにもいかないのだけど…考えすぎですかね。
いずれにせよ、彼らのご冥福を祈りたい気持ちは変わらないが。